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京都きづ川病院 DBS治療外来のお知らせ

お知らせ

 

京都きづ川病院 DBS治療外来のお知らせ

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当院では、パーキンソン病やふるえなどに対する治療として、脳深部刺激治療(DBS deep brain stimulation)を行っています。
 

DBSとは?

 DBSとは、脳内に電極といわれる細い線状のものを挿入し、脳に対して電気刺激を行う治療法です。そのために、胸に心臓ペースメーカーの様な電気刺激装置を埋め込み、それからリード線を介して電気を流します。この方法は、従来の方法(破壊術、凝固術といわれるもの)と比較して脳を破壊することがないために、手術に伴う副作用が少なく、安全に両側に行うことができ、術後に症状にあわせて皮膚の上から調整が可能であるという利点があります。


 

DBSはわが国でも平成12年より保険適用となり、現在では全国の多くの施設において行うことができるようになってきています。当院では、平成12年よりDBSを開始し、平成20年までに約180件の手術を行っております。特にここ数年は年間30-40例程度行っており、全国でも症例数の多い病院のひとつです。
 

DBSは以下のような病気の方に有効な治療法です。
1.パーキンソン病

多くの場合内服薬により治療を行いますが、
(1)一日のうちの症状の変化が大きい、
(2)不随意運動(ジスキネジア)がある、
(3)内服治療でも抑えられない振戦(ふるえ)がある、
(4)強い薬物の副作用(幻覚などの精神症状、消化器症状など)がある、
といった状態にある場合にDBSの手術をお勧めしています。手術により上記症状の改善が期待できます。

 

2.振戦(ふるえ)

内服薬にても治療困難で、日常生活に支障を来たすような場合に、手術が有効です。特に本態性振戦と言われる振戦に対しては、80%以上の患者様において症状を改善することができるとされています。また多発性硬化症や脳卒中後の振戦に対しても一定の効果が見られます。

 

3.ジストニア

痙性斜頸、書痙を含むジストニアといわれる疾患に対してもDBSが有効であることが示され、当院においても手術を行っています。

 

4.痛み

脳卒中後などに生じる痛みに対し、DBSが有効な場合があります。
 

ただしいずれの疾患においてもDBSは症状を和らげるために行われる手術であり、病気を治したり進行を遅らせたりする効果はありません。
 

詳細につきましては一度担当医にご相談ください。